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それからこれは全く緑の中に取り入れられて崩れ初めているのを、グズッスンという遺跡のところが、衛星から見るとこうなっていますよということがわかります。
こういう地道な努力をして一応計測を続けることが非常に大事でありまして、その結果、今そちらでお見せしたようなものになるわけです。
最終的にできあがったものは、これには、先ほどお見せした画像の一つひとつの町を決め、道を決めた時のポイントと責任者の名前が書いてあります。
それで全部の町の名前を入れると、とてもではないけれども印刷できないので、番号を振ってあるのです。だから表にしてあります。地図の上に番号を振っていくとその町がどこの町であるかということがわかります。
それでこういう地図ができたものを、人工衛星の絵の上に入れていったわけです。奈良から始まって中国の内部を通って、シルクロードの町をずっと抜けていくということが、これでできたわけです。
これは一番最新の画像でありまして、立体的効果のあるものでありますから、いかにタクラマカン砂漠が低く、タリム盆地が引っ込んでいるかがよくわかります。それから山の状況がわかります。それでこの形状を見ると、この山は確かに越えられないから、こちらの道を通っだということも推定できるわけです。
そのようにしてできあがったのがシルクロード・マップであります。
これからこの分野で研究される人は、これを使ってさらに細かくやれば、今までにないシルクロードの全貌が明らかになってくるだろうと思います。単に地図をつくってそれに道を入れたというのではなくて、いろいろな調査をした結果を入れて正確にこういう地図をつくったので、これからのシルクロード研究にとって非常に役に立つだろうと私たちは思っているわけです。
以上であります。

 

 

 

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